2009年06月26日
阿部寛の出演ドラマ『白い春』
『白い春』は『結婚できない男』(2006)のスタッフを中心に制作されたドラマです。主演の阿部寛にとって、気心が知れた仲間達。仕事はやりやすかったと思いますが、作品の方向性が異なっていました。
佐藤春男(阿部寛)は恋人である高村真理子(紺野まひる)の手術費を稼ぐため、殺人を犯してしまった元ヤクザ。出所後に自分の子供、さち(大橋のぞみ)がいることが判明します。しかし、さちはパン屋の主人、村上康史(遠藤憲一)が父親として育てていました。さて、血のつながった二人は幸せになれるのかどうかというのが物語のテーマです。
現実の世界において、突然やってくる幸せや不幸はいくらでもあります。ただ、それも本人が歩んできた人生がもたらす結果なのです。
恋人の体を気づかう優しさ。無茶をして人を殺してしまう残虐さ。同じ人間の中に天使と悪魔が棲みついています。それらを表に出すかどうかで人間性が決まります。そして、人生も・・・。
この作品には常に涙腺を刺激されました。その最大の立役者は脚本や演出ではありません。阿部寛の演技力と音楽です。
特に説明が必要なのは音楽でしょう。担当は『結婚できない男』を手掛けた仲西匡。この時は気になりませんでしたが、『白い春』ではフェデリコ・フェリーニやピエトロ・ジェルミの作品のような昔のイタリア映画を感じさせました。言うなればどこか古くて崇高なイメージ。
おそらく何度見ても泣かされるはず。★の数は同じですが、『結婚できない男』を上回る傑作です。
おすすめ度:★★★★★
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